日経コラムが取り上げた『2001年宇宙の旅』の狩猟仮説は?
2026-03-19


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本日(2026年3月19日)の日経新聞の「春秋」が1968年公開の映画『2001年宇宙の旅』を取り上げている。公開時に観て感動した私にとっては、オールターム・ベスト1の映画だ。すばらしい映画だが、現代の学説では否定されている設定のシーンがあると知ったのは10年ほど前である。

 問題のシーンは、日経のコラムが紹介している冒頭にある。人類の祖先が動物の骨を利用した「こん棒」という道具を発見し、それを使って獲物を狩り、他の部族を襲う。相手を倒した「骨という道具」を空中高く放り投げると、骨は宇宙船に変貌する。人類の進化を印象づける名シーンである。

 この設定は、狩猟行動によって人類が進化したという狩猟仮説に基づいている。その狩猟仮説が否定されていると私が知ったのは、『家族進化論』[LINK](山極寿一)を読んだときだ。ウィキペディアの「狩猟仮説」[LINK]にも、『2001年宇宙の旅』の冒頭シーンのベースになった狩猟仮説は現在は否定されているとある。

 日経新聞のコラムは、狩猟仮説に基づいた冒頭シーンを取り上げ、「こん棒を振り回す猿」に現代のわれわれの姿を重ねている。コラムの主旨には同感できるし、あのシーンを取り上げたくなった気持ちもわかる。だが、『2001年宇宙の旅』の冒頭シーンを紹介するなら、狩猟仮説が否定されていることを述べてほしかった。それによって、より深まったと思う。
[雑記]

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