一之輔とタブレット純で夏の夜の夢
2025-07-27


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世田谷パブリックシアターで、春風亭一之輔プロデュースの『せたがや夏いちらくご 夜の部』を観た(聴いた)。夜の部の出演は春風亭一之輔とタブレット純である。

 私はさほど落語を聴くわけではない。一之輔は「笑点」で観ているだけで、落語を聴くのは初めてだ。昨年夏、パルコ劇場の『破門フェデリコ〜くたばれ!十字軍〜』[LINK]の客席で、一之輔と思しき眼鏡に帽子の人物を見かけたことがある。タブレット純を始めて観た(聴いた)のは3年前の『加藤登紀子ほろ酔い50年祭』[LINK]だった。それ以来、昭和歌謡と漫談の独特のムードに魅了されている。一之輔とタブレット純という取り合せに魅力を感じ、チケットをゲットした。

 今回の企画は、前座の落語に続いて、一之輔の長めの落語。15分休憩の後、タブレット純の歌謡漫談と一之輔の落語というプログラムだった。一之輔とタブレット純の二人が同時に登場する掛け合いも期待したが、それはなかった。

 客席の反応から判断して、一之輔ファンだけでなくタブレット純ファンの中高年がかなりいるような気がした。昭和歌謡と他の楽曲との取り合わせが面白い。童謡『サッちゃん』と『赤色エレジー』の混合には笑った。アイジョージとあいみょんの混合は難しい。両方ともわかる人はどれくらいいるだろうか。私はどちらもわからなかった。

 初めて聴く一之輔の落語は二つとも江戸の噺だがシュールな部分があり、面白かった。一本目は大店の病弱な若旦那が真夏に蜜柑を欲しがり、番頭が奔走する話である。二本目は、大工とヤンチャな倅が天神祭の飴屋や団子屋で騒動を引き起こす噺だが、後半になって大岡越前が登場し、ドタバタ風の不思議な展開になる。一之輔の語りには越境したような魅力がある。その人気を得心した。
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[雑記]

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