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『20の古典で読み解く世界史』(本村凌二/PHP研究所)
ローマ史家・本村凌二氏による本書は、数年前に同じ出版社から出た
『教養としてのローマ史/世界史』[LINK]と同じ造本、テイストも似ている。読みやすい歴史エッセイだ。
20の古典の概要を紹介し、歴史家の眼でコメントしている。結末の紹介は避け、原典を読むよう促すが、やはり、すでに読んだ作品に関する話の方が興味深く読める。
本書が取り上げる20の古典のうち、私が読んでいるのは次の12点だ(冒頭数字は本書目次にある番号)。
『05 神曲』[LINK]
『07 ドン・キホーテ』[LINK]
『09 ハムレット』[LINK]
『10 ロビンソン・クルーソー』[LINK]
『11 ファウスト』[LINK]
『12 ゴリオ爺さん』[LINK]
『14 戦争と平和』
『15 カラマーゾフの兄弟』[LINK]
『16 夜明け前』[LINK]
『18 阿Q正伝』
『19 武器よさらば』
『20 ペスト』[LINK]
古典とは若いうちの読むものだと思っていたが、この12点のうち青字の9点は60歳を過ぎて読んだ(『ハムレット』『カラマーゾフの兄弟』は再読or再々読)。若い頃にさほど古典に親しまなかったということである。私は61歳になった2010年以降は読了本の記録をExcelに残しているので、この十数年に読んだ本は検索できるのだ。
実は、本書を購入したのは昨年夏である。それ以降に読んだ数冊は本書を機に読んだ。本書を読む前に、かねてから気がかりだった名作を読もうと思ったのだ。
いずれにしても、本書によって、ささやかなわが読書体験のたな卸しをした気分になった。読書体験も時々反芻しないと忘却の沼底に沈んでしまう。
未読本は次の8点だ。
『01 イリアス/オデュセイア』
『02 史記列伝』
『03 英雄伝』
『04 三国志演義』
『06 デカメロン』
『08 アラビアンナイト』
『13 大いなる遺産』
『17 山猫』
「01」は
『イリアス』[LINK]だけ読んでいる。本書の紹介を読んで『オデュセイア』も読みたくなったが、この叙事詩は耳で訊きたい。著者は学生に英語版CDを訊かせているそうだ。いのつ日か、日本語オーディオ版が出るのを期待したい。
「02」の史記は
入門書のダイジェスト[LINK]を読んだので、とりあえずそれ満足している。原典に挑戦する意欲はない。
「03」の『プルタルコス 英雄伝』は何篇かを拾い読みした。いずれ、ちくま学芸文庫版(全3冊)を読むつもりだが、いつになるかわからない。
「04」の三国志に関しては、十数年前に
吉川英治版と北方謙三版[LINK]を読んだので、『三国志演義』にまで手を伸ばす元気はない。
『06 デカメロン』は、2020年のコロナ禍の蟄居時代に読もうと思ったことがあるが、すでに機を逸っしてしまった。
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